13年間機能してきたウェブ集客が崩れた日——司会のプロが法人市場を開く
2025-12-31
企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | イベント司会業(法人・各種イベント) |
| 所在地 | 東京都内 |
| 規模 | 代表者+司会スタッフによる小規模運営 |
| 売上高(ピーク時) | 約1,500万円 |
| 支援期間 | 全5回 |
支援前の状況
長年にわたり各種イベントの司会業務で実績を積んできた司会事務所。かつては年間300本を超える案件をこなし、売上も1,500万円を超えたこともあった。ところが近年、売上はピーク時の半分以下に落ち込んでいた。ウェブ経由案件は2019年の250本から2025年には40本ペースまで減少。Google広告は12年間続けていたが、今年初めて停止を決断した。
見えてきた本質的な課題
「市場が縮んでいるのか」を確認すると、取引先の会場は去年過去最高益だという。市場は縮んでいない。問題は「接点の構造が変わった」ことにあった。
ヒアリングを進めるうちに見えてきたのが、現場でのスタッフの実力だ。法人イベントの話を聞き始めると、その言葉に確かなものがにじんできた。「企業の株主総会に入ると、総務部の方が本番前にすごくプレッシャーを抱えているのが分かります。当日プロが仕切ることで、場が一気に引き締まる。」
実際に企業クライアントにアンケートを送ると、「明瞭な話し方と声かけにより、当社の格が上がりました」「プロに頼んでよかった。一言で言えば、安心でした。」という回答が返ってきた。
「プロに頼んでよかった」という証拠があるのに、サイトにも営業資料にも一切出ていなかった。 そして法人イベント(株主総会・決算説明会・IR関連)への展開余地があるにもかかわらず、そこに向けた営業の仕組みが存在していなかった。
支援内容
デジタルマーケティングの診断と再設計——Google Analyticsを分析し、コンバージョン率の低下原因を特定。トップページへの流入が少なく、コンテンツページ経由のユーザーが依頼ページに誘導されていない構造的な問題を確認した。
法人向け新規ブランドの設計——「株主総会・決算説明会を成功させる、企業イベント専門の司会サービス」というポジションを明確にした専門ブランドを別立てで設計した。
営業資料の作成——クライアントのアンケート回答と支援セッションの内容を組み合わせ、「なぜ法人イベントにプロの司会者が必要か」「総務部が抱える本音のプレッシャー」「実際に起きる効果」を一枚の資料に落とし込んだ。
補助金活用——パンフレット作成とウェブサイトリニューアルに向け、小規模事業者持続化補助金の申請準備を支援した。
営業先リストと初期アプローチ設計——株主総会シーズンの2〜3ヶ月前が最も引き合いが生まれるタイミングであることを踏まえ、逆算したアクションプランを設計した。
成果
漠然とした「法人も受けている」状態から、「企業イベント専門司会サービス」という明確な商品として形になった。アンケートで集めた実績と顧客の声が、営業資料の核心として機能している。「13年続けてきたウェブの仕組みが機能しなくなったとき、何をすればいいか分からなかった。でも法人向けを整理していくうちに、自分たちが積み上げてきたものに改めて気づきました。」
支援を振り返って
この案件で印象的だったのは、「問題は市場にあるのではなく、見せ方にあった」ということです。
ウェブ集客が崩れると、経営者はどうしても「市場が悪い」と思いがちです。でもヒアリングを丁寧に進めると、取引先の会場は最高益だという事実が出てきた。市場は動いている。問題は、自社がその流れに乗れていないことにあった。
そしてもう一つ見えてきたのが、「強みはすでに証明されていた」という点です。法人クライアントから届いたアンケートの言葉——「当社の格が上がりました」「安心でした」——これは確かな実力の証拠です。この言葉を持っているのに、誰にも見せていなかった。今回の支援の核心は、この証明済みの強みを「法人向け専門サービス」という形に整え、それを必要としている企業に届ける仕組みを作ることでした。
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